土地は誰のものなのか
日本国内においては、民法206条により「所有者は、法令制限内において、自由にその所有物の使用、収益、及び処分をする権利を有する。」と定めており、これを所有権といいます。
土地に対しても所有権があり、通常の土地売買はこの「土地の所有権」を売り買いしていることになります。
所有権に対しての課税として、不動産に対する固定資産税と自動車に対する自動車税があります。
自動車税は、自動車が齎す社会的費用にかかる行政需要の原因者へ負担を求めるものですが、土地については、土地そのものが齎す社会的費用というものはなく、単に所有していることに対して課せられている税金です。
ある不動産会社の社長さんが「土地の固定資産税は、国に対する地代。つまり、土地は最終的に国のものだ。土地の所有権を得ても、結局、賃貸に住んでいるのと変わらない。」
とおっしゃっていました。
確かに日本国内の土地は、日本の「領土」ですので、国の主権が及び排他的支配権のもとにあります。
これにより土地は「領土を主張する国のもの」であるといえます。
ですが、ここで一つ。
Netflixで配信されている「地面師たち」というドラマの中で、豊川悦司さんが演じるハリソン中山のセリフを紹介したいと思います。
「土地は土地として、太古から、ただそこに存在していただけです。
野生動物に縄張り意識はあったとしても、土地の所有欲はない。
人間はあらかじめ本能が壊れた動物と言われていますが、その代わりに知恵をもっている。
知恵が文明を生み出し、生物界の頂点へ君臨させ、そして、こんなに酷い世界を作り上げた。
その最たる愚行が、土地を所有したがるということです。
本来は誰のものでもないはずなのに、人間の頭の中だけで土地の所有という概念が生み出され、それによって戦争や殺戮をくり返してきた。
人類の歴史は、はやい話、土地の奪い合いの歴史です。
土地が人を狂わせるんです。
だとすれば、土地自身には、人間を滅ぼしたいという本能があるのかもしれませんね。」
さて皆さんは、土地は誰のものだと思いますか?
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